頭をめぐるもう一つのこと

北海道で暮し始めて13年目になる。別に毎年指折り数えていたわけではないのだけど、最近、ふと考えた。なぜ、急にこんなことを考えたのかというと、ここ数ヶ月、然別湖に注ぐヤンベツ川の写真データを整理していたから。然別湖とヤンベツ川は、私が北海道へ来てから一番長く深く付き合っているフィールドだ。生き物の気配が濃く、人の気配が少なく、水が澄んでいて・・・、いつも人間である私が自然の中へお邪魔させてもらっている気分になる、お気に入りの場所のひとつ。『この場所だけはいつまでも変わらないでほしい』、ずっとそう思ってた。もちろん、自然の中で遊ぶことを仕事としている立場上、変わらないように努力することが大切だとも思ってきた。でもそう思いながら、見守ること以外、何をしてきたのだろうか、最近そんなことを考えるようになってしまった。なぜかというと、ここ数年、豪雨や大風が毎年のように北海道を襲い、然別湖周辺も大きく風景を変えた場所がある。もちろん、目の前の変化以上に、目には見えない変化もあるだろう。それは天災なのか人の影響なのか、そんな思いが頭の中をぐるぐる回っている。相変わらず然別湖の自然は美しく、出かけるたびに癒されているのだけど、一方でヤンベツ川の変化に不安になってしまうのだ。
同じようなことを考えている仲間、然別湖の自然が好きな友人と、この春『然別湖を考える会』を作った。そして、6月上旬、ヤンベツ川を河口から歩き、現状を記録した。これを繰り返し、データをもとに、然別湖について考えていく予定だ。とりあえず、今できることをやっていきたい。そして、この会を通して、然別湖の自然や然別湖に関わる人たちと、ずっとこれからもいい関係が続いていくといいな~、と思っている。